[REPORT]報告・セミナー第27回(2022年7月30日)

〈NPO法人Educationin Ourselves 教育を軸に子どもの成長を考えるフォーラム〉による「発達の遅れ」連続セミナー[実例から知る、「発達の遅れ」が気になる子どもの教え方]第27回[「自閉症」のわが子。学習によってここまで成長した。 言葉の遅れ、問題行動を乗り越えながら育った中学1年生(男子)の記録](*)を7月30日(土)、埼玉県川口市の川口駅前市民ホールで開催しました(報告/知覧俊郎)。

 

 *2022年度赤い羽根共同募金(埼玉県共同募金会)助成事業 後援:内閣府、文部科学省、厚生労働省、埼玉県、さいたま市、川口市、埼玉県教育委員会、川口市教育委員会、蕨市教育委員会、草加市教育委員会、越谷市教育委員会、北区教育委員会、豊島区教育委員会、足立区教育委員会、荒川区教育委員会、我孫子市教育委員会、埼玉県社会福祉協議会、川口市社会福祉協議会、埼玉県医師会、埼玉県小児科医会、埼玉県看護協会、全埼玉私立幼稚園連合会、全国私立保育連盟


 【概要】

 

▶︎テーマ

「自閉症」のわが子。学習によってここまで成長した。

言葉の遅れ、問題行動を乗り越えながら育った中学1年生(男子)の記録

 

▶お話(体験発表) 中学1年生の母親Yさん

▶進行・解説と質疑応答 河野俊一さん(エルベテーク代表/医療法人エルベ理事)

▶日時・場所 7月30日(土) 9:30〜12:00 川口駅前市民ホール  フレンディア(埼玉県川口市川口1-1-1)

▶参加者 50名(保護者34名、教育関係者13名、保育関係者2名、その他 埼玉県、東京都、神奈川県、千葉県、長野県在住の方々)

▶参加費(資料代等) 1,500円

 

  

■■■

 

 このセミナーではこれまで、幼児期から学習を継続しながら大学生や社会人になった子どもたちの実例を紹介してきました。

 

(1)幼児期から学習面・生活面を含む適切な接し方・教え方を続ければ、どのような「発達の遅れ」があるにせよ、その子ども自身の力を伸ばし、ハンディを乗り越える手がかりをつかめる

(2)成長の最大のポイントは、ある時は「個性」としてそのままにしたり、ある時は「ストレスになる」と言って子ども本位にさせたりする接し方ではなく、コツコツと努力する習慣を小さい頃から身につける(身につけさせる)かどうかに尽きるのであり、その土台によって将来の自立へ向けた選択肢が広がる

(3)子育てや指導の成果を上げるには、家庭での取り組みと学校との信頼関係づくりという大人の努力が不可欠である

 

 以上の事実を示すのが主な狙いでした。

 

 ここで改めて幼児期の学習の意義を一緒に考えたいと思い、幼児期の不安や焦りなどの生々しい記憶が新しい、子育て真っ只中の30代・40代の保護者の方に連続して講師をお願いすることにしました。子どもの学齢は、中学1年生など。

第27回の講師は、中学1年生Yくんの母親です(父親も参加し、父親の視点から子育ての感想を話してもらいました)。

 

 セミナー終了後のアンケートに、ある教員の方が「(セミナーの内容には)教育界でも取りあげるべき大切なことがたくさん含まれていた気がします」、「普通学級では高学年になるほど発達障害を持つ子どもへの支援をあきらめている(しっかり向き合って対応できていない)先生が多い気がします」という感想を書いていました。

 

 これが現場の率直な感想だと思われます。今後も、私たちNPO法人は、世の中に大量に流れる皮相的な情報ではなく、保護者や現場の方々が納得できる、事実に基づいた確実な情報を積極的に紹介していきたいと思います。

 

■■

 

同じ療育施設に通っていた男の子と数年ぶりに会ったら……

 

 Yくんの成長記録の報告ですが、小学6年生の時のエピソードが特に印象的でした。幼児期に同じ療育施設の親子教室に通っていた友だちに関するエピソードです。

 

 その男の子とYさん親子が数年ぶりに会う、そんな機会があったそうです。当時は、Yくんとは異なり、目立った言葉の遅れもなく、物静かな男の子でした。しかし、母親に話を聞くと、いまは特別支援学校へ通い、不登校とのこと。体は大きくなったものの、目を合わせてあいさつもできない状態。Yさんが驚いたことに、会話中に男の子は自分の母親の背中に水の入ったペットボトルを投げつけたそうです。

 

「母親はどういう反応をするのかなと思ったんですけれど、少し注意するだけで、本人は悪いことをしているというふうに思っている意識がないんですね」とYさんはその時の感想を述べました。

 

 男の子の母親から「周りに『本人には無理をさせないで、気持ちが乗った時にお母さんと一緒に学校へ行こうね』と言われている」と聞いたYさんは、助けになってあげたいと思い、母親に対し「目を見て話すこと」、「『してはいけないこと』『しなければならないこと』を短めの言葉で端的に言うこと」など、自らの体験から得た対処法を伝えるのが精一杯でした。

 

 ひとしきり遊んだあと、Yくんはぽつりとこう言ったそうです。「僕はなんであの子と一緒の教室に通っていたんだろう」。

 

 もちろん、その男の子はこれからなにかのきっかけで良い方向へ変わる可能性があるとはいえ、かなりの努力をしなければ難しいでしょう。なぜ、早い段階から学習の意義をしっかりとらえ、学習に取り組み、学ぶ姿勢を育てようとしなかったのか、悔やまれます。

 

 現在のYくんは、担任によれば、クラスのムードメーカー的な存在。数学の先生からは学習内容について「当てずっぽうではなくて、しっかり考えた上での解答を言ってくれる。なぜ間違ってしまうかという過程をクラスみんなで考えることができるので、とても助かっている」との評価を受けています。

 

 部活のほか、放送委員として昼休みの放送も頑張っている現在のYくんと不登校状態の友だちとの違いは明らかです。幼児期から学齢期にかけての学習の意義を具体的に感じさせるエピソードでした。

 

言葉の遅れや多動を「どうにかしなくてはいけない」

 

 さて、Yくんの幼児期ですが、「発達の遅れ」に気づいたのは、やはり、いつも身近にいた母親のYさんでした。そして、不安や焦りの中で諦めるのではなく、「どうにかしなくてはいけない」と気持ちを切り替えるにつれ、影響を受けるように父親のほうも子育てに関わるようになった、そんな経緯があります。このセミナーで発表される実例の多くに共通する経緯です。

 

 幼児期のYくんは両親を悩ませ続けました。言葉が一言も出ず、執着や多動が認められ、嫌な場面に出会うと癇癪を起こし大声を出し大泣きするといった男の子だったからです。当初は、長男ということもあり、「男の子だから遅いんじゃない」と周りから言われ、Yさんは「様子を見るしかないかな」と思っていたとか。

 

「幼稚園の体験入園に参加したんですけれど、遊びの輪に入らず、園庭で一人で遊んでいる。うちの子だけ外に出て、『わーっ』と好き放題やっているんですね。それを見て『おかしいな』、と。うちの子はなにも発語ができなくて、『ああ』とか『うう』としか言えないのに、他のお子さんはママたちと楽しそうに『これは○○だよね』とか普通に会話しているのを見て、『これはまずいぞ』とすごく感じました。そこで衝撃を受けたというか……」

 

 ある時、車の往来の激しい4車線の大通りを一人で横断しようとしたこともあるそうです。Yさんが目を離した隙に裸足で家から飛び出し、その後、いなくなったことに気づいて家族総出で探したところ、近所の人に保護されたYくんがパトカーの中でニコニコと笑っていたそうです。

 

 その出来事をきっかけにYさんは市の療育センターへ相談。するとすぐに専門医から「自閉症ですね」と指摘されました。呆然としたYさんが「言葉が話せるようになりますか?」と訊くと、医師の回答は「将来、話せるかどうかわかりません」。

 

 勧められるままに、療育施設へ通園。「本人に寄り添って気持ちを受け止めることが大切ですよ」と説明されたものの、Yさんには通園の効果はほとんど感じられませんでした。「やっている内容は普通の幼稚園と同じような形だったので、『続けても意味があるのかな』と正直思いました。子どもがやらなかったりやる気がなかったりすれば、『それはしょうがないよね』という感じでした」と当時の疑問を振り返りました。

 

 その後、本(『誤解だらけの「発達障害」』)を読みエルベテークの存在を知ることになります。遠方(電車で片道2時間)のため通学の対象として考えていませんでしたが、他の教室を2つほど見学するうちに指導の質の違いを実感し、「頼みの綱はここしかない」という思いに駆られ、弟も含む親子4人で相談に出かけます。

 

子ども本位ではなく、子どもがわかるように教える

 

 相談会では、先生の指示を静かに聞いて練習しているYくんの姿を間近に見て驚いたYさん。衝撃的でした。「この子は将来、話すようになりますよ。学習すれば改善します」という、これまでとは異なるアドバイスを教室から受け、学習を決意(Yくんは3歳5 ヶ月)。

 

 当時の様子についてエルベテークの代表・河野俊一さんは次のように解説しました。

 

「50音の発音をチェックしていくと2音がなんとなく言える。それで、『これなら練習していけば話せるようになります』とYさんにお伝えしたわけです。

指導のポイントは、子ども本位にするのではなく、『ここに座ります』とか『ここに置きます』と、子どもたちがわかるように伝えていくことではないかと思うんです。『あ』と言いなさい、と指示された時に『あ』とYくんが言える、次にひらがなと対応させていく。

『そういうことなのか』と本人もわかってくると、子どもも練習にちゃんとつき合ってくれるようになります。保護者の方にも『こういうふうに言えばわかる』とか『もっと教えてあげれば』とお伝えできる。そうすると、何をやったらいいかがわかるし、見通しがたつようになります」

 

 こうして、50音表を見ながら一音ずつ発音練習をしていくにつれYくんは次第に50音が言えるようになり、単語が読めるように。学習開始から1年後には二語文を話すようになり、2年後にはさらに進歩を見せます。

 

 丁寧に挨拶する、靴を並べる、鉛筆を正しく持つ、相手に丁寧に紙を渡す……。そんな教室のやり方をYさんは実際に見学し、家庭で模倣する形で根気よく実践しました。小学3年生の頃には学習習慣が定着し始めたと言います。

 

「最初は椅子に座らせるまでが大変でした。回数を増やして、こちらも根気よくやると、息子も折れるというか……。そのうち、自分が学習したい時は『(勉強を)やりたい』みたいな感じでエルベテークのカバンを持ってきました。素直に応じてやってくれることも増え、習慣になってきたかなと思います」とYさんは振り返ります。

 

 河野さんは家庭学習における対面学習の意義を次のように強調しました。

 

「きちんと目を合わせてお父さん、お母さんの話を聞いているかどうか。『○○をするよ』と言うまで、きちんと目を合わせて聞いているかどうか。対面で座って教えることがポイントです。子どもの目を見れば、わかっているかどうかを知ることができますよね」

 

普通学級で学ぶための心構え

 

 Yくんは入学を迎えます。当初、教育委員会との面談後に特別支援学級を勧められました。しかし、エルベテークからの応援もあり、「普通の子たちの教室で勉強できるかどうか」という不安はあったものの、普通学級で学ぶことに。

 

「学習によって力をつけ、言葉も喋れるようになってきたし、先行して数字やひらがなの書き方も習っていたので、『なるべく普通学級で頑張っていきたいな』とは思っていたんですね」とYさん。

 

 学校の先生方の理解と協力が不可欠だと感じ、入学前の3月に教頭先生と面談。Yくんの特徴と配慮してもらいたい点をまとめたレポートを手渡すと、「がんばっていきましょう」との返事が返ってきました。

 

 入学後、クラスの友だちを味方にしようとYさんは積極的に声かけをしていきました。やがて、「この間、こんなことがあったよ」と子どもたちからも良い反応が得られるようになりました。時には隣の席の男の子の顔を2日続けてなぐるなどのトラブルもありましたが、担任や子どもに謝るなどの対応を行って、乗り越えました。

 

テーブルに対面で座って行う2時間の家庭学習

 

 家庭での学習は時間を決めて取り組んでいます。当初は椅子に座ろうとしないわが子とケンカになることもしばしばで、宿題の問題用紙を破ってしまい、あとでセロテープで修正したことも。しかし、「座ります」「口を閉じます」などと、感情的にならないように冷静に、端的に言葉で指示を出すコツをYさんはつかんだそうです。

 

「自分はその子しか見ていないので、『この子が今後どうなっていくのか』という見通しがわからないんですよね。『やるべきことはやらなくちゃ』と毎日、頑張るんですけれど。そんな中、先輩の方から『こんなふうに頑張っていますよ』という話を聞くことにより、自分自身『うちも頑張らなくちゃいけない』と思うことができたのが大きかったですね」

 

 教室の学習で、エルベテークを卒業後、大学生になって教えていたH先生から学んだことが大きかったと言います。

 

「もともとエルベテークで学習されていた方なので、親側ではなくて、実体験として子どもの気持ちがよくわかるんですよね。自分も学習で悩んで頑張ってこられた方なので、アドバイスが的確でした。私が悩んでいることに対して、『この子はこうだからこういうふうにしたほうがいい』とか……。『ああ、そういうことだったのか』とすーっと私も理解でき、頑張ろうという気持ちになりました」

 

 セミナーでは2年生の時のエピソードが紹介されました。Yさん親子が家で会話している時にふとしたことで「大変だったんだよ。あんた、ちっちゃい時は」とYさんが言うと、Yくんはその言葉に応じて、神妙な表情で「あの時は迷惑をかけてすいませんでした」という言葉を返したそうです。その時、Sさんが「いままでの努力が報われた」と感じたのは言うまでもありません。

 

 中学生になり、生活スタイルが変化。部活(美術部)が終わって6時ごろ帰宅。それから夕食を食べお風呂に入るとリビングルームのテーブルを使ってエルベテークと学校の宿題を中心に2時間程度勉強する毎日を送っています。テスト前の週末は7時間ほどになることも。もちろん、Yさんから促されるまでもなく、自ら始めます。習慣になっているからです。

 

 最近、2学期制の中学校で初めての試験(中間テスト)を受けました。その結果、英語が90点、国語と理科が85点、一番悪かった社会が60点といった成績を収めました。

 

「力をつけさえすれば、選択の幅は広がります」、そんな河野さんの言葉にすべてが要約されているように感じられました。

 

 言葉の遅れを引きずっているため、やはり、コミュニケーションの取り方が今後の課題です。YさんはYくんへ「言葉で言わないと伝わらないよ」と伝えているそうです。

 

「これまで頑張った成果でいま楽しい生活を送れていると思います。今後、やりたいことを見つけて、自分で考えて行動できるようになってもらいたいなと思います」、そうYさんは期待を込めました。

 

■■

 

【参考 アンケート】(全部で32通。その一部を原文のまま紹介します)

 

●保護者の体験発表についての感想-1「日頃、子育て・教育で気になっていることは?」の回答

 

・就学前の保護者の声

 

「強いしゅうちゃくについて不安がありました」(3歳の保護者)

「一歩一歩、成長していることが実感しております。課題は、言葉がでてくることです。家庭でも努力していますが、歯がゆくことです。あせらずに見守るしかないようです」(5歳の保護者/祖父)

 

・小学生の保護者の声

 

「人とのコミュニケーション苦手 発信力がないこと “自分のことしか考えない”ところ なんでも人のせいにすること」(小1の保護者)

「生活行動全般にまだまだかなりの時間を要する 特に、行動するまでの時間が長い」(小1の保護者)

「・学習が進むにつれて、学習が難しくなっていること ・またこの先、本人にどのような進路があるのかということ」(小4の保護者)

「学習の授業を、聞けなくなっている」(小5の保護者)

「暴れてしまう、物にやつあたりする できてる時とできてない時の差が激しい」(小6の保護者)

「しゃべりすぎたり、興ふんするとコントロールする事が難しい。板書を書くのが苦手(目で見る力がよわい)」(保護者)

「学校の苦手な教科にどのように対応するか、なやんでます」(保護者)

 

・中学生の保護者の声

 

「・ひとり言 友達の名前をいう、突然違う話になる ・だまっている事がなかなかできない」(中1の保護者)

「滑舌が悪い 字が汚い」(中2の保護者)

「・夫があまり協力的ではないこと ・思春期なのか、感情のコントロールができないこと。大きい癇しゃくになってしまうと対応できない ・ADHD、ASD、知的障害といろいろ合わせ持っている障害特性があり、むずかしい」(中3の保護者)

 

・教育関係者の声

 

「特別支援学級(情緒障害)特別支援学級(知的障害)で支援員をしています。この2学級では、子どもへの支援(指導)の仕方が全く異なり疑問に思っています。子どもたちの将来を考えたとき、どちらの指導が適切なのか知りたいです」(支援員/中1の保護者)

「本日の内容にもありましたが、本人のやる気を待つ学習、言動を大目に見る対応について、どうしたらよいのかと思っていた」

「自分の指導が「普通」であるのか。常識がズレていることを教えているのではないか。と感じる。だからこそ、「あるがまま」「その子の個性」と指導をちゅうちょする」

 

●保護者の体験発表についての感想-2「特にどの部分に共感されましたか?」の回答

 

・就学前の保護者の声

 

「3歳の時に自閉スペクトラムと診断され、息子とかぶるエピソードが多くありました。これからの息子の成長をそうぞうしながらお話をきかせていただきました」(3歳の保護者)

 

・ 小学生の保護者の声

 

「小さな積み重ねを続けること いかに練習するか」(小1の保護者)

「子どもがなにをしても親は動じることなく、その上をいく。短的な言葉で、目を合わせて、指示を出す」(小1の保護者)

「問題に対し、落ちこむのではなく、細分化して練習をつみ重ねていく」(小1の保護者)

「「言葉で言わないと伝わらない」ことを、本人に理解させること」(小3、年長の保護者)

「毎日コツコツできる人間、あいさつ、基本的な事ができる力を身につけさせる。自分一人で出来ることを増やしていく」(小3の保護者)

「普通にできる子と比べてしまうが、とにかく出来ることをやるしかない、ということ」(小4の保護者)

「・努力と、練習をやっていく ・言いたい事は、具体的に、正しい文章をくり返しておしえる」(小5の保護者)

「勉強・しつけを継続して教えること」

 

・ 中学生の保護者の声

 

「目を見て話す、座ります、口を閉じます」(中1の保護者)

「根気よく、努力と練習」(中3の保護者)

 

・ 教育関係者の声

 

「Yさんが「普通の生活ができて、幸せです」との言葉が印象的でした」

「息子も現在中1、2〜3才まで発語がなく、同じような生育歴です。すべてに共感いたしました」(支援員/中1の保護者)

「幼児の頃の友だちに、5〜6年後会った時の「なぜぼくと友だちだったのかなあ。」。学習をするしないのちがいにおどろかされました」

「・何ができるかを把握すること ・見届けることの大切さ」

「お母様の根気強さ、粘り強さが素晴らしいと思いました。母親はつい感情的になってしまい、特に娘の場合、お互いが感情的になってぶつかり合い、母は同じ土俵に立ってしまうので、尊敬してしまいます。子どもをどうにかしたい気持ちがとても伝わってきました」

「・幼児期の関わりが大切であること、親の関わり、見届け ・家庭での関わりの中で小さいうちから、あいさつや話の聞き方等のしつけをしていくこと ・家庭での支援や協力が大きいことが子どもの成長や学力にもつながっている」

「日頃、学校では、個々の生徒の現在の状況(成績や生活態度など)は気にしているが、現在に至る成長の過程、親や周りの人の働きかけなどを了解することが、その子のこの先を導いていく上で大事であると、あらためて感じた」

 

●保護者の体験発表についての感想-3「『子育て(指導)のために役立ててみよう』と思ったことはなんですか?」の回答

 

・就学前の保護者の声

 

「目を合わせて話をする 親が根気よく冷静に」(3歳の保護者)

「目を見ること 周りの子どもを味方にする」(4歳の保護者)

「家族の一員として積極的にお伝いをさせる」(保護者)

 

・小学生の保護者の声

 

「目をみる。感情的にならず短的な言葉で伝えること。対面で学習すること。また、クツをそろえる、目をみてあいさつする……家でも日頃から細かく守るべきルールを守らせる。お手伝いをさせる……なども“自分のことしか考えない”子供の態度がかわると知り、もっと徹底しようと思いました」(小1の保護者)

「一人でもできることを増やそう!という目標をもつ」(小1の保護者)

「対面で勉強(今は一人の席で勉強させている)」(小3の保護者)

「学習を続けて気持ちもととのう。勉強を続けてやればできる。自分に自信がつく」(小6の保護者)

 

・中学生の保護者の声

 

「お母様とお父様が、コツコツと日々積み重ねてお子様と一緒に頑張られてこられた事がとにかく素晴らしいと思います。努力し続けることの大切さを、改めて実感しました。自分も今回のセミナーを聞いて、またがんばって行かなければならないなと思いました。又、「自分で出来る事を増やす」ことを目標に頑張って行きたいと思いました」(中1の保護者)

「生活面の態度の見直し」(中2の保護者)

 

・教育関係者の声

 

「発達障がいではなく定型発達の子どもたちの関わり方にも共通することがたくさんありました」

「親がこの子をなんとかしようと強い気持ちを持つこと ・宿題など学習については、できるようになるまで付き合い見届けるということ」

「根気よくねばり強く…対応していこうと思いました。自分一人でできることをこの夏休みにふやしていきたいです。同時にできていることは何なのか確認していきたいと思います」

「感情的にならず冷静にわかりやすい言葉で単的に目を見て指示を出す。やってみます」

「「あいさつ」「身の回りの片付け」と「自分でできることを増やす」等の指導について、実践していきたいと思います」

「基本的な動作を身につけさせること」

「「やるべきこと」「やってはいけないこと」を伝える」

 

●保護者の体験発表についての感想-4「教育・療育の現状についてのご意見・提言をお聞かせください」の回答

 

・就学前の保護者の声

 

「くつをはく練習を5分でもいいのでやっていただきたいです。家庭でも練習しますが、療育でもやっていただけるととても助かります」(4歳の保護者)

「質の悪い療育だと子供の欠点しか言わないので、親も頑張ることをあきらめそうになる」(保護者)

 

・小学生の保護者の声

 

「学校では、子供にあまりにも同じ注意をくり返すのは、「自己肯定感を下げることになりかねない」と消極的です。子供の受け入れ態勢が不十分なこともありますが、注意をしないと伝わらないと思い、今日も家庭では同じような注意をくり返しています」(小3、年長の保護者)

 

・中学生の保護者の声

 

「小学校も支援級に在籍していたが、先生の力量(援助)に不安がある」(中3の保護者)

 

・教育関係者の声

 

「特別支援学級での個別指導の時間はすごく必要だと思いました」

「エルベの指導方針が、学校現場(特別支援教室)へ浸透されればと思っています」

「小学校に勤めていて…普通学級では高学年になるほど発達障害を持つ子どもへの支援をあきらめている(しっかり向き合って対応できていない)先生が多い気がします。先生もご負担であることは分かりますが…」

「教育は保護者の関わり方に左右されることが多いと感じました」

「変えていかなければならないことが多々あるのに改善されない」

「教育界でも取りあげるべき大切なことがたくさん含まれていた気がします」

 

■■

 

 第27回は初めての会場となる川口駅前市民ホールを利用しましたが、感染防止対策に気を配りながら無事に開催することができました。

 

 埼玉県内、東京都内、千葉県内の10の教育委員会の後援名義を受け、また埼玉県内、東京都内、千葉県内、神奈川県内の教育委員会約40の協力も得て、各地域の小中学校、幼稚園などにチラシを配布しました。福祉関係、医療関係、保育関係の団体からも後援をいただきました。ありがとうございました。

  (報告/2022年10月15日 知覧)

撮影 堀/知覧)


■次回(第28回)

 

[テーマ]

「発達障害」と診断後、学校が大好きな兄弟になるまで

父親と母親がスクラムを組んで家庭学習を支える兄弟(小4、小2)の成長記録

 

[プログラム]

お話(体験発表) Mさん夫婦(小4・小2の両親)

進行と解説 河野俊一さん(エルベテーク代表/医療法人エルベ理事)

 

[日時] 2022年9月17日(土) 9:30〜12:00(受付開始9:20〜)

 

[会場] 川口駅前市民ホール フレンディア(埼玉県川口市川口1-1-1  キョポ・ラ4階)

 

[定員] 50名(保護者、教育・療育関係者、医療・福祉関係者、市民など)

 

[参加費](資料代等) 1,500円

 

*コロナ禍の状況次第で、日時・定員等の変更の可能性があります。

*現状では、以下の感染防止対策を予定しております。

 

●通常の会場定員(机ありのセミナー形式の場合、81名)に対し、密集を避けるために定員(50名)での利用とします

●感染防止対策にご協力ください(入場の際、手指の消毒、マスクの着用、検温をお願いします)。

●発熱、咳、鼻水など風邪の症状がある場合は参加を控えていただくようにお願いいたします。