[REPORT]報告・セミナー第25回(2022年3月19日)

〈NPO法人Educationin Ourselves 教育を軸に子どもの成長を考えるフォーラム〉による「発達の遅れ」連続セミナー[実例から知る、「発達の遅れ」が気になる子どもの教え方]第25回[「受け入れて応じる力」を身につけることから 「自閉症」と診断された子どもの18年間の記録](*)を3月19日(土)、埼玉県川口市の川口総合文化センター・リリアで開催しました(報告/知覧俊郎)。

 

*2021年度日本郵便年賀寄付金助成事業 後援:内閣府、文部科学省、厚生労働省、埼玉県、さいたま市、川口市、埼玉県教育委員会、川口市教育委員会、蕨市教育委員会、草加市教育委員会、越谷市教育委員会、北区教育委員会、豊島区教育委員会、足立区教育委員会、荒川区教育委員会、我孫子市教育委員会、埼玉県社会福祉協議会、川口市社会福祉協議会、埼玉県医師会、埼玉県看護協会、全埼玉私立幼稚園連合会、全国私立保育連盟


 

 【概要】

 

▶︎テーマ

「受け入れて応じる力」を身につけることから

「自閉症」と診断された子どもの18年間の記録

 

▶お話(体験発表) 高校3年生の両親(Nさんご夫婦)

▶進行・解説と質疑応答 河野俊一さん(エルベテーク代表/医療法人エルベ理事)

▶日時・場所 3月19日(土) 9:30〜12:00 川口総合文化センター・リリア 催し広場(埼玉県川口市川口3-1-1)

▶参加者 55名(うち保護者約20名、特別支援学級担任・教育相談員などの教育関係者15名、その他 埼玉県、東京都、神奈川県、千葉県、長野県に在住の方々)

▶参加費(資料代等) 1,000円

 

 

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 第25回は、「『受け入れて応じる力』を身につけてから」と題して開催しました。「受け入れて応じる力」は、このセミナーで報告されるすべての成長記録に共通したキーワードです。子育ての中でこの力を身につけさせようと大人が素直に意識し実践できるかどうか、それが大きな違いを生むように感じます。

 

 とはいえ、すぐに効果が現れる魔法のようなやり方があるわけではありません。やはり、両親が気持ちをひとつにし、わが子に愛情をもって教え続けるという努力をすること。その積み重ねに伴い、好不調、浮き沈みのプロセスを経ながらも、次第に「受け入れて応じる力」が子どもに身につき、成長・発達の確かな土台になっていくのではないでしょうか。

 

 今回、Nさんご夫婦に講師になってもらい、Nくん(高校3年生)の成長記録と親子の努力を通して成長・発達の土台になる力を改めて強調したいと考えました。

 

 セミナー当日、母親Nさんはこれまでの18年間の子育てを振り返ってこう話しました。

 

「2歳ぐらいから小学校1年生ぐらいまでは不安に思ったり、半信半疑ではあったけれど、とにかく信じてやってきたという感じなんです。小学校1年生、2年生となっていくうち、『小さい頃、教えたことが身についているんだな』と思うことが出てきたので、やはり、『信じ続けて諦めないで同じことを繰り返し言うと、身につくんだ』と実感しました。1、2年では身に付かなかったりするので、5、6年とかそういう長いスパンで見たほうがいい。5、6年したらやっぱり身につくんですよね」

 

 そして、昨年の東京オリンピック・パラリンピックを念頭に、「うちの子も障害があるけれども、繰り返し教え続けてきてここまで成長したということは、他の障害があるお子さんでも同じだと思いますが、オリンピックのメダルに匹敵するぐらいのことだなと私は個人的に思います」と話しました。長年、努力してきたから口にできる自信のようなものを感じました。

 

「わが子を信じること」「わが子を信じる」「「あきらめずに、根気よく、同じことを繰り返し教え続ける」を子育てのモットーにしてきたとのことです。

 

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「自閉症」の症状に当てはまるものばかり

 

 母親のNさんがNくんの様子が気になったのは早くから。「ほとんど発語しないし、呼んでも振り向かない、目も合わない。手をひらひらさせるのを結構やっていました」とその頃の様子を語りました。「手押しのおもちゃのタイヤをずっと回していました。コミュニケーションがとれないという感じで、かなり心配な状況でした」。

 

 次第に1歳半検診が迫ります。その前にネットで調べてみたところ、Nくんの行動が自閉症に当てはまるものばかりで、Nさんもさすがに「自閉症なのでは……」という気持ちが強くなります。保健師に話すと、療育センターを紹介され、1歳9ヶ月の時点で専門医から「自閉症」との診断が下り、療育センターに週1回通うことに。

 

 しかし、期待するような変化は見られませんでした。

 

「(療育センターでは)手遊びをしたり、絵本の読み聞かせがあったり、外で遊んだり、食事をしたり、いろいろあったんですけれど、特に言葉に関して指導することはなく、相変わらず2歳になっても言葉は出ない状態でした」。説明されたのは、「そのうちに出るようになる。待つしかない」とのことでした。多くの保護者の声を聞くと、ほとんどの療育センターが同じような状況だと思われます。

 

 Nさんは親としてわが子の状態を観察しました。たしかに自閉症特有の行動がたくさんあったものの、認知力の点でかすかな希望が生まれました。野菜や果物の名前はわからない状態ながら、少なくとも色に対しては興味があり、「赤は?」「緑は?」と順番に訊くと、正しく指で差したからです。

 

 そこで、「あか」「あお」と復唱させる練習をNさんなりに一生懸命に続けました。しかし、2、3ヶ月しても言葉は出ません。それ以外に何をどのようにしていけばいいのか、なすすべがありません。療育センターでの接し方、あるいは親の教え方だけでは効果という点で限界があったようです。

 

 Nさんが自らの限界を感じ始めていた頃、実父がとある本を買って見せてくれました。『自閉症の子をもって』という本でした。その中で、効果的な指導を行う教室(エルベテーク)が紹介されていました。

 

 それが子育てのきっかけになりました。夫婦一緒に教室へ出かけ、「家庭でどうしたらいいのか?」と相談したところ、改めるべき課題とやり方を具体的に説明してもらいました。「言われた通りにすれば、普通学級に行けるようになるんじゃないか」という前向きな気持ちがNさん夫婦に生まれてきました。

 

家でも、ほぼ一日中、練習を続ける

 

 Nくんは2歳4ヶ月で学習を開始。それまで練習していた「あか」の復唱ですが、エルベテークの先生からは「あ」「か」と一音ずつ復唱させること、そのあとに「あか」と復唱させることなど、技術面で具体的なアドバイスを受けました。「口の形をしっかりとらえて発音できるように練習することが大切」という意味合いだったのです。

 

 週1回の教室の指導・学習に任せっきりにするのではなく、アドバイスにしたがって家庭でも教え続けました。それがわが子の力を伸ばすポイントであり親の責任であるとNさん夫婦なりに感じた結果です。毎日、ほぼ一日中、練習を続けました。「正直、大変だったんですけれども、こうしないとたぶん言葉が出ないんじゃないかと思っていたので、地道にやりました」と母親のNさんは振り返りました。

 

 効果が現れたのが3歳になったころ。教室に通い始めてから8ヶ月ほど経過していました。三語文も話せるようになり、発達検査では「年齢相応の発達」と言われるほどに変化。3歳で幼稚園に入園し、当初は立ち歩きなどが目立っていたものの、年中から座れるようになり、集団行動もできるように。

 

 実は、この練習を通して「受け入れて応じる姿勢」が芽生えたと言えます。指導に当たったエルベテーク代表の河野俊一さんは一連の流れについて大切なポイントを次のように説明しました。

 

「教えてくれる人、お父さん、お母さん、大人のほうにちゃんと目を向け、もし目が逸れてしまったら、『見て』と言って、見続けること。見続けられるということは、お父さんお母さんの言っていることに応じた、受け入れたということですね。見ていなければ、応じても受け入れてもいないということです」

 

 練習の基本であり、練習がより効果的になるポイントです。「だんだん言えるようになると、お父さんお母さんも励みになる。お家でも一生懸命練習された。それが3歳になってから言葉が出てくるきっかけだったのではないかと思います」と河野さんは補足しました。

 

両親が交代で学習をサポート

 

 言葉が出て、話せる単語が増えた結果、診断名は「広汎性発達障害」へと変わりました。Nさん夫婦はわが子の力がついたので普通学級でやっていけると手応えを感じ、入学予定の小学校へ「自閉症だけど、普通学級に入れたい」と電話で伝えました。

 

 しかし、親の思いとは裏腹に、わが子が知らない場所や人の前では不安定な言動になるという苦い経験をしました。

 

 就学健康診断で校長と面談の機会があり、そこで予想もしない行動をとったのです。「しばらくは私たちと一緒におとなしく座っていたんですけれども、途中から校長の机の上に上がって、赤ちゃんみたいにハイハイし出したり、降りたら机の上にあるパソコンを触ったり。に」と母親Nさんは説明しました。

 

 校長先生とすれば「普通学級の運営に支障をきたす」と判断したのだろうと思います。Nさん夫婦は、幼稚園や家での落ち着いた様子を説明し、普通学級入学の希望を伝えました。「ここで折れてしまったら、いままでの苦労が水の泡になると思って、何度も何度も必死になって『幼稚園ではちゃんとしているんです』と主張し、理解してもらいました」とNさんは当時を振り返りました。

 

 入学後に同じような事態が起こるかもしれないと心配した両親は教室に相談し、「ご配慮していただきたいことについて」というレポートをまとめて担任に渡しました。本人がわかっていないようであれば、個別に声かけしてほしいなど、です。担任の配慮もあり、前方の座席に配置してもらいました。

 

 その後、学校からは「普通学級では少し気になるので、通級に通わせてみてはどうでしょうか」と言われました。通級教室は別の小学校内にあり、移動に時間がかかったこともあり負担が大きく、しばらくして通級をやめることを申し出て、普通学級へ戻りました。

 

 とにかく、学校のどの教室で学ぶかに関係なく、家庭学習に力を入れました。「エルベテークからは国語と算数のプリントが宿題として出ましたので、必ず毎日やらせました。学校の宿題も一緒にやりました。3年生になってからは、社会と理科の復習を日曜日にご主人と交代で復習する形でした」とNさん。

 

 家庭学習以外では、2年生の時からスイミング教室にも通いました。4年生の頃には塾通いでやめる友達もいたなか、通い続け、6年生では1級に。中学生の時も途中で投げ出すこともなく、通っていたとのこと。真面目さと忍耐強さが身についた証拠でもあるでしょう。

 

「コントロールできるように頑張ろうね」という声かけの成果

 

 ただし、成長とともに反抗が続きました。特に、中学2年生の時に反抗がひどくなりました。たとえば、前の晩に「明日の支度を全部やっておきなさい」というNさんの助言を素直に聞き入れず、少しだけ残して寝てしまう場面が増えてきました。朝になると、「あれがない、これがない」と大騒ぎ。

 

 お父さんの話によると、「『嘘をついたでしょ』と言っても、『嘘をついていない』と言うんですよ。堂々巡りで終わらない。向こうも引かないし、こっちも引かないということがありました。1回認めてしまうと次から嘘をついてしまうので、強く何回も『次からは絶対そうしない』と言いました。ほとぼりが冷めるまで放っておく、それを気長に何回もやっていきました」。

 

 当時、Nくんは動画で人が怒っているシーンだけをわざわざ選んで見ていたとのこと。母親のNさんは自身の対応について次のように話しました。

 

「ドラマや漫才などの番組ですごく怒っているシーンがあると思いますが、息子はそういったシーンに食いつくので、『これは良くないかもしれない』と思い、主人に相談し、テレビの怒っているシーンやニュースの事件は見せないようにしました。もう少し大きくなった中学3年生ごろからはテレビを見せながら、『これは劇なんだよ』とか『おもしろくするためにわざと大袈裟に怒っているんだよ』と伝えました」

 

 ある日、まだ奇声を時々出していたNくんがベッドを叩いて穴を開けてしまったことがありました。

「本人も驚いていましたが、とりあえず学校に行かせて、帰ってきた息子が落ち着いた頃に『これ、どう思う?』と言ったら、反省していましたので、『感情をちゃんとコントロールできるようにしようね』と伝えました」と母親のNさん。

 

 癇癪を起こさせない感情のコントロール方法として、Nさんは「大人になったら困るよ」と常に言い聞かせていたそうです。「大人になるまでに、コントロールできるように頑張ろうね」、と。

 

 また、Nくんに余裕があって落ち着いて話を聞いてくれそうな時を見計らって声をかけるなどの工夫をしました。注意する際につい感情的になってしまった時には、冷静になってから「さっきお母さん、感情的に怒鳴ったけれど、あれは悪い見本だよ』と必ずフォローしたとか。

 

 家庭学習については、毎日、できる範囲でその日の復習をしたり次の日の予習をしたりという具合でした。しかし、Nさんが隣に椅子を持って「何時から始めようね」と伝えても、勉強しようとしない時がありました。Nさんの話によると、「最初は教科書もなかなか開かなかったりしていたんですけれども、根気よく待ったり、私が教科書を開いたり。言っていくうちにだんだん習慣になってきました」。

 

「息子一人で宿題をやるのが難しいものもたくさんあり、どうしても親の手助けが必要になるので、私たち夫婦の予定とも兼ね合いをつけてみんなで計画を立てる形でした」とNさん。

 

 ふだんは30分から1時間。定期テストの前は2時間程度学習に当てていたとのこと。長期の休みには、まず一緒に何をするかという計画表を作成しましたが、中2の途中からは自分一人で計画を立てられるようになっていきました。

 

オリンピックのメダルに匹敵する努力

 

 高校入学の際には、同じように自閉症の子どもをもつ知り合いから様子を聞いた学校へ通うことに決めました。事前に学校説明会に夫婦で聞きに行き、息子に会っていそうだと感じたため、受験を勧めることにしたそうです。

 

 高校入学後は、受験で気が抜けたのか、勉強に取り組まない様子が一時的に見受けられたため、教室と相談し、改めて生活の中で学習習慣を定着させることに力を入れました。30分ずつ学習時間を区切って3回やるといった工夫も取り入れ、合計2時間ぐらいは勉強する形へもっていったそうです。

 

 うれしいことに、高校時代には幼児期からの学習の成果が目に見える形で現れました。「癇癪を起こしがちな子だなというのは小さい頃からわかっていたんですけれども、このまま大人になってしまうと本人が困るだろうと思いました」とNさん。

 

 ところが……。「高校1年生の途中から、自分で予習をしたり学校から出た課題を自発的にやるようになっていました。気づいてみたら、反抗的な態度も無くなっていました。1歳半ぐらいからずっとあった癇癪がなくなっていました」。

 

 成績が大きく向上した高校生活らなりました。母親Nさんの話によると、現在、まじめで穏やかな性格で日々過ごしているとのこと。授業を休んだのは、ワクチン接種の副反応による1日だけ。

 

「コミュニケーションはもともと苦手で、あまりしゃべらない感じですが、勉強したり、趣味の鉄道をしたりしています。高校を卒業しますが、学校の様子はコツコツ勉強して成績は中の上ぐらいという感じです。学校もほぼ休まず通いました。先日、卒業式があったんですが、学校から努力賞をいただきました」

 

 そして、Nくんは大学受験をめざすことにしました。

 

「大学は受験できるのかなと思っていました。事前に過去問を取り寄せてやらせてみたんですが、試験も難しいです。ただ、教室でも勉強していますし、学校の宿題もちゃんとこなしていましたので……」と父親のNさん。

 

「学校の作文に『自分は辛抱強く諦めずに物事に取り組むところが長所です』と書いてありました。小さい頃から繰り返し繰り返し勉強したきたことが、高校になった時には本人の中に根付いていることがわかったので、『大学をめざしてもいいんじゃないかな』と考えを変えました」

 

 面接と小論文指定校推薦で理工学部に合格しました。気象が好きで、その知識を防災などの分野に活かしたいという思いで理工学部へ入学したのです。「『自分の知識を使って世の中の役に立ちたい』という話はずっとしていました」と父親のNさん。

 

 実は、セミナー当日、Nくんは教室での最後の授業でした。2歳4ヶ月から高校3年生まで15年10ヶ月の学習を続けてきた成果がさらに花開くことでしょう。

体験発表の最後に、Nくん本人のメールが父親のNさんから読み上げられましたが、その内容は次の通りでした。

 

「教室に通ってほんとうによかったと思います。感情のコントロールや諦めない力などを学びました。学校での成績を上げることができました。部活動も中学高校と続けることができました。大学でも諦めない力を活かしたいと思います」

 

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 最後に、体験発表後の河野俊一さんの「まとめと提言」から、次の言葉を紹介したいと思います。現在の教育や子育ての問題点を明確にした指摘だと思われるからです。Nさん親子の成長記録ならびにアンケートに寄せられたコメントを重ね合わせると、いまの教育や子育てが直面する問題点が浮かび上がると思われます。

 

「最近、目を見ない、静かに待てない、体のどこかが動いている、返事をしない、思い通りに行かないとすぐ怒る、泣く、指差しをする場合など乱暴に行う、そして『後でやる』などの言い訳をする。間違えると、『お母さんが悪い』と人のせいにする……。そんな子どもが目立っています。

ところが、大人のほうは、それらの課題を『個性』ととらえ、改善しようとはあまり考えていない、また改善できるとも考えていないようです。やはり、『どうにか改善したい』『良い方向へ持っていきたい』という思いがすべてのスタートではないかなと思います。

その場合に、私たちは物差し、基準を持っておかないといけないと思うんです。そういう基準がないために『子どものペースに合わせる』とか『人それぞれに』といった言葉で全部が曖昧な形で終わってしまっているのではないでしょうか」

 

 やはり、いろいろ工夫しながら子どもの努力を応援するのが親の役割だと痛感します。まずは家庭という場で「やるべきこと」をしっかり実践する覚悟と忍耐こそ私たち周りの大人は賞賛し、手本にするべきだと痛感します。

 

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【参考 アンケート】(全部で30通。その一部を原文のまま紹介します)

 

●保護者の体験発表についての感想-1「日頃、子育て・教育で気になっていることは?」の回答

 

・就学前の保護者の声

 

「小学校で普通級に行けるかどうか考えている所なので、これからどうやってのばすか、どうしたら良いか不安です」(3歳の保護者)

「すぐ怒る、かんしゃくがひどい時の対応」(6歳の保護者)

 

・小学生の保護者の声

 

「お友達との関わりが難しい(同世代の子どもと一緒に遊びたがらず、関わりを求めるのは大人のみ)」(小2の保護者)

「学年が上がるにつれ、学業面とコミュニケーション面で、通常クラスの他の子たちとひらきが大きくなっていると感じる」(小3の保護者)

「小学校高学年になるに際し、成長による反抗期で今までの勉強姿勢が継続できるかどうか」(小4の保護者)

「ひとり言 おなじ話をする すぐ自分の話にもっていく 目が合わない」(小6の保護者)

 

・中学生の保護者の声

 

「予定の変更などに弱く、いつも同じ時間に決められたことをするのが好きなので、コミュニケーションもいつも同じことを聞いたり、何回もしつこく聞いたりするところ」(中1の保護者)

・高校生の保護者の声

「集中して勉強できない」(高2の保護者)

 

・教育関係者の声

 

「就労についての不安。自立のために、就労は不可欠。就労のことまで親が手取り足取り面倒みなくてはならないのか、知りたい」(教育関係者/小6の保護者)

「課題をかかえる子への具体的な指導方法がよくわかりません」

「特別支援学級に通う児童がとても増えています。先生方の指導、対応がとても大変になってきているように感じます」

「これまで担任していたお子さんの次年度への引きつぎについて(何を引きつぐか)」

 

・保育関係者の声

 

「親に伝えるむずかしさがある(親が認められない) 保健センターなどに専門家を置いてしっかり伝えてほしいと思う 子育てが出来ない親が多いと感じる」

 

●保護者の体験発表についての感想-2「特にどの部分に共感されましたか?」の回答

 

・就学前の保護者の声

 

「学年が上がるごとに学習についていくのが大変になりそうなので、今から学習することを習慣にしていきたいと思いました。小学校に入学してからは予習復習を取り入れたいです」(4歳の保護者)

「感情をコントロールすることを子供にいいつづけていったこと。人が生まれてきたからには、本人の能力を最大限、伸ばすことが大事だ、と思っています」(4歳の祖父)

 

・小学生の保護者の声

 

「母が感情的になっている時は落ちついてから子供に話す」(小1の保護者)

「かんしゃくを起こしたときワンクッションおくこと。セルフコントロールを意識させること」(小3の保護者)

「目をみて、いいきかせる」(小4)

「学校の先生と、協力しながらする。土日に、理科と社会の勉強をする」(小4の保護者)

「改めて目を見て姿勢を正させて、勉強に向かわせよう。言い返されても、冷静におちついてあきらめずに言おう。この様に思いました」(小4の保護者)

「指導を5~6年のスパンの長い目で見て続ける事(1~2年であきらめない)」(小5の保護者)

 

・中学生の保護者の声

 

「心が折れそうになってしまうこともありますが、5~6年とか長いスパンでみて、根気よくこれからも繰り返し教え続けていこうと思いました」(中1の保護者)

 

・高校生の保護者の声など

 

「改善させたい所を、あきらめずに指導したいです」(高2の保護者)

「子供の可能性を信じて、自律的に行動できるように支援することは、障害の有無に拘らず親に課せられた役割であると再認識しました」(なし)

 

・教育関係者の声

 

「・5年スパンで物事を見る ・基準(目標)を立てる ・あきらめずに根気強く、言いつづける」

「まずは、目を見て、あいさつなどかんたんなところから始めていけばいいとよく分かった」

「「根気強く向き合う」ということをやってみようと思いました」

 

●保護者の体験発表についての感想-3「『子育て(指導)のために役立ててみよう』と思ったことはなんですか?」の回答

 

・就学前の保護者の声

 

「最近引っこしてきて、新たに息子が通う療育を数カ所見学に行きました。ほとんどの療育で「遊びを通して教える」というやり方でやられていました。子どもが先生の背中をおもいっきりたたいても、目を見て注意することもなく、優しく「やめてね」と言っていることにおどろきました」(4歳の保護者)

「エルベテークの療育を広めていってほしい。国の療育は、医者が診断し、施設を紹介するのみだ。個々の療育施設は単に経営だけのようだ」(4歳/孫)

「保育園では難しいようなので、週1、2回療育にあづけてますが、保育園よりは少人数と言うだけで、タメにはなっていない気がする」(6歳の保護者)

 

・小学生の保護者の声

 

「昔、通っていた療育などでは無理をさせないで、よりそって、などと言われるばかりで具体的に良くなる方法を言われませんでしたが、小さいうちから多少無理をさせてでも、あきらめずに教え続けることが大切だと思います」(小2の保護者)

「通級に通っているが、普通級担任の連携がほとんどできていない現状。学習効果を上げるためにも、仕組みを改善してほしいと感じている」(小5の保護者)

 

・中学生の保護者の声

 

「幼稚園で働いていますが、デイサービスなど選択がふえているので、たくさん利用する子がふえていますが、幼→デイサービス→家→寝ということで、実は自分の子供の様子がわからない方が増えている気がします。自分の子供の様子についてはよく把握するように心がけています」(中2の保護者)

 

・高校生の保護者の声

 

「寄りそって、自分らしく、等の言葉にとても違和感をおぼえる1人です。どうやってこの言葉をなくせるか考えたい」(高2の保護者)

「愛あるきびしく教える事は悪ではありません。子供も出来る事が増えて認知力が増える方が自信が持てて成長します」(高2の保護者)

 

・教育関係者の声

 

「小学校の現場にいます。1クラス35名~40名、担任1人にはもう無理があると感じます。指導力も落ちているし、子どももしつけがなされないまま入学してくる。大きく変わっていくことを望むのですが、どうやっていったら変えていくことができるのだろう?」

「小学校教育にエルべテークのノウハウを伝授頂きたいです」

「・課題のある子への指導が十分に行なわれていない ・学級の中に複数名の子がいると、担任一人の指導では対応しきれない」

「療育センターのあり方はこのままでいいのか」

 

●保護者の体験発表についての感想-4「教育・療育の現状についてのご意見・提言をお聞かせください」の回答

 

「教える側の忍耐力、大切ですね」(高2)

「今回も大変勉強になりました。川口開催のセミナーがあれば必ず参加したいと思います」(教員)

「お子さんの成長を追えるセミナー、つづけてほしいです」(教員)

 

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 第25回も、感染防止対策を講じながら無事に開催することができました。毎回、発達の遅れが気になる子どもたちが学習によってさまざまな課題を少しずつ乗り越え成長していった様子を、保護者と指導者の対談形式で振り返ってもらっています。

今回、参加された保護者のお子さんは、小学生を中心に3歳から高校2年生まででした。

 

 なお、埼玉県内、東京都内、千葉県内の10の教育委員会の後援名義を受け、また埼玉県内、東京都内、千葉県内、神奈川県内の教育委員会約50の協力も得て、各地域の小中学校、幼稚園などにチラシを配布しました。

 ありがとうございました。

 (報告/2022年4月19日 知覧)

撮影 堀/知覧)

■次回(第25回) 大阪開催

 

[テーマ]

問題行動が多く、読み書きもできなかったわが子への教え方

「2学期から特別支援学級へ」と告げられてからの親の努力 2

 

[プログラム]

お話(体験発表) Mさん(大学4年生の母親)

進行と解説 河野俊一さん(エルベテーク代表/医療法人エルベ理事)

 

[日時] 2022年6月25日(土) 午前の部 10:00〜12:00(受付開始9:45〜)午後の部 13:00〜15:00(受付開始12:45〜)

 

[会場] 大阪産業創造館 6階 会議室E(大阪市中央区本町1-4-5  地下鉄堺筋本町駅徒歩5分)

 

[定員] 70名(保護者、教育・療育関係者、医療・福祉関係者、市民など)

 

[参加費](資料代等) 午前の部・午後の部 各回2,000円(連続参加の方は3,000円)

 

*コロナ禍の状況次第で、日時・定員等の変更の可能性があります。

*現状では、以下の感染防止対策を予定しております。

 

●通常の会場定員(114名)のところ、大阪産業創造館の指導に基づき、新型コロナウイルス感染防止対策中の定員(76名)での利用とします(椅子は机ごとに3人がけ→2人がけ)。

●セミナー当日はNPO法人として会場入り口で消毒液を準備し、検温・除菌・換気など、十分に気をつけて臨みたいと思いますが、参加の際は感染防止対策(マスクの着用など)をよろしくお願いいたします。

●発熱、咳、鼻水など風邪の症状がある場合は参加を控えていただくようにお願いいたします。