[REPORT]報告・セミナー第16回(2019年6月22日)

私ども〈NPO法人Education in Ourselves 教育を軸に子どもの成長を考えるフォーラム〉による「発達の遅れ」連続セミナー[実例から知る、「発達の遅れ」が気になる子どもの教え方]第16回(共催/(株)増進堂・受験研究社 後援 : 文部科学省、厚生労働省、大阪府、大阪市、大阪市教育委員会、埼玉県教育委員会)を2019年6月22日(土)、大阪市のドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)で開催しました。



 

 【概要】

 

▶︎テーマ

[発達障害への適切な対応を考える 母親(医師)からの報告と提言

 

▶お話(体験発表) 高校1年生男児の母親(Sさん)

▶進行・解説と質疑応答 河野俊一さん(エルベテーク代表/医療法人エルベ理事)

▶感想と問題提起 吉田景一さん(甲子園短期大学幼児教育保育学科准教授/前大阪府立港高等学校校長)

▶6月22日(土) 18:30〜20:30 ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター/大阪市中央区大手前1-3-49)7階ホール

▶参加者 約320名(有料入場者 : 大人288名・大学生6名、子ども6名、その他)

▶参加費 大人1000円 大学生500円 子ども無料

 

■■■

 

 今回の第16回からシリーズタイトルを「実例から知る、「発達の遅れ」が気になる子どもの教え方」と新しくしました。対談形式のプログラム構成(「発達障害/発達の遅れ」をもつ子どもの保護者による体験発表+その親子に直接関わった指導者による解説)は継承しながらも、より幅広い立場の参加者、つまり、保護者を中心に、このテーマに関心をもつ教育・療育関係者、医療・福祉関係者、そして市民が長期的・具体的な実例を前提にして議論・交流する場を創り出していくためです。

 

 第16回は、初めて埼玉県を離れ、大阪市での開催となりました。これまで私どもの連続セミナーに関心を寄せて参加された関西地方の保護者や教育関係者の要望に応える形で実現しました。

 

 保護者による体験発表は、2017年10月開催の第7回でも報告されたSさんにお願いしました。医師という立場ながら、4歳で「広汎性発達障害」と診断された息子さん(現在、高校1年生)の子育てを通しさまざまな苦労と経験をし、困難を乗り越えつつある方だからです。

 

 療育や特別支援教育の壁にぶつかったものの、そこでめげることなく、親として自分のやるべきことを確認・継続し、その結果、学校・教師の信頼と協力を得てきた……、その貴重な経験からSさんがつかんだ発見と事実は、「発達障害」の種類・程度のいかんを問わず、多くの方々に参考、生きた手本になると思います。

 

■■

 

「発達障害/発達の遅れ」はけっして固定的なものではない

 

 Sさんは体験発表の冒頭、自らの体験発表について「荒波の中の小舟が(港に)たどり着いた経緯をお話しさせていくことで(みなさんの)生活のヒントにしてもらえたら……」と話しました。「私はダメ母親の代表として呼ばれました」という言葉が示すように、その謙虚な姿勢とユーモアを交えた体験発表の中に本質的なポイントをしっかり取り上げることによって参加者の多くの方々に感銘を与えました。

 

 まず、単位制の高校に通う息子さんの現在の様子、特に学習内容について次のような報告がありました。

 

 「数学は方程式の展開、因数分解などの基本、英語は中学1年生程度の文法を学習しています。国語は非常に苦手なんですけれども、漢字は大好きで、現在、漢字検定を受けています。高校に入って、理科・社会にも取り組んでいます」

 

 4歳で自閉傾向の強い「広汎性発達障害」と診断された息子さんの言葉の遅れや執着行動、偏食などのため子育てで困り果てていたかつてのSさん夫婦。その接し方・教え方が大きく変わり、そしてなによりも息子さん自身が学ぶ力を伸ばし、穏やかな性格も含めて大きく成長したことがわかります。現在、息子さんは毎日、学校に通っているそうです。

 

 「発達障害/発達の遅れ」はけっして固定的なものではなく、学習・教育によって乗り越えることができる事実がはっきり示されました。

 

 幼児期の様子に焦点が当てられた際にも、やはり多くの参加者の共感を得たのではないかと思われます。アンケートには「私も同じような経験をした」とコメントされた方が少なくありませんでした。

 

 Sさんは早産だった息子さんが寝つかないことや音に敏感だったことからその様子に「おかしい」と気づきました。「私たちを一番困らせたこと(のひとつ)は、特定の人(育児を手伝ってくれたSさんの母親)としかミルクを飲んでくれないことだったんです。仕事が終わってうちに帰って母親と育児をバトンタッチするんですが、私と主人ではミルクを絶対飲まない。ミルクを飲まないで、泣き叫ぶ……」状態だったと振り返りました。困ったあげく夜中にミルクメーカーのコールセンターに電話をかけたこともありました。

 「(当時は)ミルクを飲まないことが息子のこだわりだなんて思わなかったんです」とSさんは語りました。

 

 Sさんは自分の仕事(診療)の合間にさまざまな施設やセンターに相談しましたが、満足なアドバイスや情報を得ることはありませんでした。3歳になる前、小児科の医師に相談したところ、「いまは脳のネットワークがバラバラな状態なんです。発達上に普通に見られることなので、心配ない」という言葉が返ってくるだけでした。

 

 そうした日々を送りながら、いろいろな子育て本などを参考にしました。発達上の課題について「個性」ととらえ、「子どもの気持ちになって」「無理をさせてはいけない」「子どもの自由にさせておくことが一番」といったアドバイスにしたがって実際には何も手を打たずに放置していたそうです。ハンディを受容できずに、「時間の経過とともに変わるだろう」という根拠のない期待をもちながら……。

 

 「もしかして集団の中に入れてみれば何か変わるんじゃないかと思って、保育園に入れてみることにしたんです。でも、そこでわかったことは、戸の開閉をバッタンバッタン繰り返したりとか、椅子をくるくるくるくる回すだけ。他のお子さんとの違いが浮き彫りになっていくだけなんですね」と語りました。

 

 ますます息子さんの状態はひどくなり、言葉の遅れとともに動物のように泣き叫んだり癇癪を起こしたり噛みついたりするようになりました。目を合わすこともできない、言葉を話すこともできない、要するに子どもと親が言葉でコミュニケーションできず、気持ちが通わせられない状態に陥ったのです。それに対し親として「このままではいけない」とSさん夫婦は強く思い始めました。

 

「子ども自身に力をつける」という視点がターニング・ポイント

 

 そんななか、年中の11月、子どもにまず「応じる姿勢」を身につけさせながら力をつけさせていくという「エルベ・メソッド」(*)に出会いました。それがSさん親子の大きなターニング・ポイントとなりました。

 

 そして、指導の効果を目の当たりにしたSさん夫婦は次第に互いの方針を一致させ、子どもへの接し方を変えました。してはいけないことなど、教えるべきことは教えるべきという考えのもと、家庭教育に力を入れ始めたのです。「あ」と「お」、「1」と「2」の区別がまったくできず、「あ」も書けなかった息子さんは、繰り返しの練習の結果、少しずつわかり、できるようになりました。Sさん夫婦が教育・学習の意義について「うちの子は他の子と同じようにはできないけれど、何十回もやれば必ずできるようになる」と確信をもったのはこの頃からです。

 

 残念ながら、それでも息子さんの覚える力が不足し、依然として学力が低い状態だったため、小学校に入学しても授業についていけないことは明らかでした。就学相談では「こんな子が普通学級で学べると思いますか?」とも言われました。勧められるまま、特別支援学級を見学しましたが、子ども本位に遊ばせているだけの接し方にSさん夫婦は失望してしまいました。

 

 結局、学年は1年遅れることになったとしても就学猶予を受け、息子さんの言葉の力を伸ばし、ひらがなや読み書きなどを身につけさせることに力を注ごうとSさん夫婦は決心するに至りました。

 

 就学猶予の間、着席の練習や指示に従う練習、発音や読み書きの練習に繰り返し取り組むにつれ、息子さんは発達上の課題を少しずつ改められるようになったのです。そして、入学にあたって息子さんの成長を確認したSさん夫婦は「小学校はなるべく一般の子どもと同じ環境を」と考え、小学校普通学級に通わせることにしました。

 

 小学校では、いろいろな壁にぶつかりました。登校から下校まで付き添うことが普通学級入学の条件となったため、Sさん夫婦は分担し、時には周りからの助けを得てなんとか対応しました。Sさんは「子どもも大事ですが、患者さんも大切です。とても苦しい時間でした」と話しています。時間の経過とともに、少しずつ学校の先生からの協力を得られるようになりました。

 

 中学校では付き添いが認められないため、特別支援学級に通いましたが、Sさん夫婦は可能な限り学校側とコミュニケーションをとるように努めました。当初は「どうすればできるようになるでしょうか?」というSさんの問いかけに「無理でしょう」の繰り返しでなかなか理解・協力を得られなかった学校側の対応が次第に改善され、先生たちとの間によりいっそう信頼関係が生まれてきました。

 

 「通常学級用の教科書を使わせてください」というSさん夫婦の願いを理解した教科の先生たちが、「学校でやっているのをそのままプリントにつけますので、お家でやってみてください」と協力してくれるようにもなりました。

 息子さんはテストについてはあまり点数が良くなかったものの、復習テストなどは良い点数をとることもあったそうです。漢字検定は7級(小学校4年生修了程度)にも合格しました。

  

 やはり、成長のポイントは息子さんの力ではないかと思われます。子ども自身の力を伸ばすことによって学校・教師との信頼関係づくりに結びつけることは非常に大切な視点だと思われます。

その点についてSさんは、こう述べました。

 

 「かっこよく言えば、親の努力となによりも息子の成長が学校の先生を変えてくれました」

 

 なんでもない言葉のように思われるかもしれませんが、「発達の遅れ」をもつ子どもの教育の本質がここにあるのではないでしょうか。息子さんの具体的な成長を通して、「この子にはムリだ」ではなく、「やらせれば、できるようになる」という発見が学校の先生方に浸透し、巻き込み、良い結果をもたらしたと思われます。

 そして、学習ドリルに取り組むことが好きな息子さんに引き続き学習の場を与えたいとの思いからSさんは高校に通わせることになりました。

 

 終盤、Sさんは体験発表の中で問題提起も行いました。

 

 「大切なのは、(たとえば支援センターのような)箱を準備することではなく、箱の中身がちゃんと実績として実を結んでいるか、それを評価していただく時期にやっときたのだと私は思っています」

 

 参加者のアンケートにも「きちんと教えれば子どもはわかる、変わる」という共感のコメントがたくさんありました。今後、その視点を具体的・長期的な実例とともにセミナーの中でさらに提示していきたいと私どもは考えています。

 

「言葉を通して行動できる」、その大切さ

 

 予定になかったことですが、質疑応答の時間には、当日、客席で聴いていたSさんのご主人が壇上に上りました。そして、「息子に学習を続けさせてよかった。言葉を通して行動できる、それがたぶん社会性を身につける上でいちばん大切なことではないかと思っています」ときっぱり話したのが印象的でした。

 

 Sさんと河野俊一さん(エルベテーク代表)との対談ならびに質疑応答のあと、吉田景一さん(甲子園短期大学幼児教育保育学科准教授/前大阪府立港高等学校校長)からは感想と問題提起がなされました。たとえば、「長期にわたる具体的な実例を集積していくことがいかに大切かを再認識しました。発達障害の理解や研究、そして特別支援教育や療育の進展につながると感じた次第です」などの指摘がありました。

 

 最後に、共催の(株)増進堂・受験研究社からは「エルベ・メソッド」の普及に尽力したいとエールを送ってもらいました。

 

 

*「エルベ・メソッド」

「まずしっかり見る、聞く姿勢を育てることが最優先」「関心のない物事に対しても注意を向けることができる姿勢づくり」など12項の具体的な教育方針と指導目標を掲げ、学習を通して子どもの成長をめざす指導法。「発達上の遅れを抱える子どももそうでない子どもも、身につけさせたい力は同じである」という考え方に基づき、24年間の豊富な事例と実績をもつ。

 

■■

 

【参考 体験発表の流れ】

 

(1)現在の様子

 

□単位制高校の1年生として

□現在の学習の様子(定着した学習習慣・生活習慣、学習内容、学習方法など)

□学校との信頼関係(高校進学を実現した中学校生活)

 

(2)幼児期の様子

 

□わが子の成長で気づいたこと

□親としてとった行動(医療機関や療育など)

□幼児期の問題点(言葉の遅れ、覚えられない、こだわり、偏食など)への対応

□さまざまなアドバイスと療育を受けた結果……

□エルベテーク/「エルベ・メソッド」との出会い

□それをきっかけに変わった家庭での接し方・教え方、そして自信と見通し

 

(3)学校生活

 

□小学校(通常学級)入学までの経緯

□学校(集団生活)の役割、家庭の役割

□担任・学校の理解と協力を得る(中学進学では特別支援学級を選択)

 

(4)これまでを振り返って

 

□夫婦間の意見・考え方・接し方をできる限り統一

□「何十回かやったらできるようになる」という、学習の繰り返しによって本人も手応えを得る

□「子ども自身に力をつける」(我慢できる、読み書きができる、など)がポイント

□「適切な教育・指導法をアドバイス・実践できるシステムの必要性」(特別支援教育への提言)

□医師の立場から思うこと

 

 

 【参考 アンケート】(全部で94通。その一部を原文のまま紹介します)

 

●保護者の体験発表についての感想-1「特にどの部分に共感されましたか?」の回答

 

・就学前の保護者の声

 

「子供の状況をよく見られて、子供の得意な面をのばそうとされた点。それをするために学校とねばり強く話されてきた事」(3歳の保護者/父親)

「学ぶ……生きて行く上で大事なことを学ぶ」(5歳の保護者)

 

・小学生の保護者の声

 

「“しなければいけない”“してはいけない”ことをしっかり伝えるということ。繰り返しに諦めてしまいそうになりますが、必ず伝わると信じて根気強く伝え続けたいと思います」(小1の保護者/父親/中学校教員)

「やってはいけない事はやってはいけない事と伝えること。うちは2才頃から徹底していましたが、指導していただける所(保育所、支援センターなど)からは全拒否され続けていました。今は言葉が理解でき、親が許してくれない事も理解しているので諭しやすいですが、周りからは、とても怖い親だと思われてました。自信がつきました」(小2の保護者)

「発達障害の有無にかかわらず、学習の継続や、してはいけないことをきちんと教える大切さに共感した」(小3・小1の保護者)

 

・中学生の保護者の声

 

「夫婦で同じ目線でとり組む。社会で生きていく力を身につけさせる意志。学校との信頼関係の構築。継続することの重要性」(中3・小5・小3の保護者)

 

・教育・療育関係者の声

 

「してはいけないことは、いけないと教えること、それを守ったら「それでいいです」と評価すること、それはどちらも冷静に行われるものであること」

「親としての悩みは、とても共感できることも多く、その中で、自分の子どもの良さを思い出されてくり返していねいにかかわってこられたこと。“教えていけば必ず変わる”ということの実践のお話はとても貴重でしたし、はげまされました」

「子どもへの継続的学習によって子どもは変わりうる点。教員は発達障害は治らないという誤信念をもっているケースが多く、子どもの成長と、親の熱意で、教員の意識を変えられること、大変感銘を覚えました。」(臨床心理士)

「何があってもめげずに子どもと向き合い、学校・市教委とねばり強く交渉(信頼関係づくり)をしたことです。またお父様がおっしゃった「ことばのかくとく、それが社会性を身につけることにつながる」、どんな方法であっても、子どもがことばを獲得することの大切さを感じました」(スクールカウンセラー)

「後半にSさんのお父様が話されていた、成長過程の子どもに対し「やめてしまったら、そこで止まる。」まさしく簡潔でどんな場面にも自身の教育の軸にできる言葉と感銘を受けました」

 

・医療・福祉関係者

 

「本音で語って下さった事。自分のことを責めておられる保護者にとって、大変救われるお話をして下さったと思います」

 

 

●保護者の体験発表についての感想-2「『子育てに役立ててみよう』と思ったことはなんですか?」の回答

 

・就学前の保護者の声

 

「ちゃんと子どもの目を見て話す。やってはいけないことちゃんと教える。親が感情にならずに、たんたんと教育する」(年中の保護者)

「子供に対して、きちんと目を見て冷静に指示を出す。いつでも、ブレない態度で子供に接する。諦めずに、取り組む。「やってはいけない事」はやってはいけないの信念を貫く」(3歳の保護者)

 

・小学生の保護者の声

 

「子供に対し、弱気にならず、諦めずに、しっかり学習させようと思いました」(小1の保護者)

「学習面で繰り返し行っていく事。理解するのに時間がかかりやすいのに、授業中はわかったフリをするので、先生と話し合いを持ってもらってますが、これからも、先生・学校との関係を友好的に保ちつつ繰り返えし学習できる環境を整えてあげたいと思いました」(小2の保護者)

 

・中学の保護者の声

 

「コミュニケーション力のつまずきをあきらめて、ありのままに受け止めていこうと思っていましたが、あきらめず学力、コミュニケーション力もていねいに教えていこうかなと思い直しました。「目を見て話す」というところを大切にしようと思います」(中1の保護者)

 

・教育・療育関係者の声

 

「保護者の方とコミュニケーションをとることをあきらめない。発達の遅れの部分は個性と伝えてきたが、課題を見つけ一緒にその課題をクリアする方向をむいていきたい」

 

・医療・福祉関係者

 

「どの子ども障害のあるといわれる子ども達も定形型の成長をする子ども達も同じように教えつづけていくことの大切さ」

 

 

●保護者の体験発表についての感想-3「その他、今回の体験発表で感じたことをお書きください」の回答

 

・就学前の保護者の声

 

「まだうちの子供は3才(年少)ですが、この先のビジョンが見えず、この先どうすれば?という不安しかなかったですが、Sさんのお話を聞き、少しビジョン(何をすればよいか)が見えてきた気がします」(3歳の保護者)

「まだこの先への不安はぬぐえませんが少し光が見えました。やるべきことがわかったのがありがたいです」(5歳の保護者)

 

・小学生の保護者の声

 

「「子供の学んでいく」というところにしっかり意識を持って、親が取り組むことの大切さを学びました」(小1・年長の保護者)

「共感ばかりでした。今日は、聴講できて本当によかったです。息子バカな所もよかったです!!」(小1の保護者)

「今まで自分があきらめず、くさらずやってきたこと、接してきたことが認めてもらえたような気分になりました。今後もこのまま続けて行こうと思えました」(小2の保護者)

「Q&Aが具体的で良くわかりました。暗記からはじめ、ゆっくりあきらめずくり返すことの大切さを知り、うれしく思いました。まだまだ発語が少ないですが、しっかり対話して生きる力を身につけさせたいです」(小3の保護者)

「毎日、落ち込み悩み出口の見えないトンネルにいるような中で、少し希望の光が見えた気がしました。又、少し頑張れる気がします」(小3の保護者)

「完璧な母でなくても、子どもの事を真剣に考え、しっかり見守れば、子どもは少しずつ応えてくれるのだと感じた」(小5の保護者)

 

・中学生の保護者の声

 

「子に対する夫婦の考え・方向性が同じであることの大切さも感じた」(中3・小5・小3の保護者)

・大学生の保護者の声

「もっと早い時期にお聞きしたかったです。しかし遅すぎることはないとも思いました」(大3の保護者)

 

・教育・療育関係者の声

 

「教員として初めて支援学級を担任することになり、指導に戸惑いを感じていました。無理をさせてはいけないのか? 何がムリなこと? 何度言っても伝わらないのでは?…といった疑問が解消されたように思います」

「教師の言葉で傷つく保護者の気持ちが心に残った。小2の自閉症の母として自分も傷ついたこともあります。教師の立場として、保護者の気持ちを考えて子どもにとって何が大切かを考えて発言しなければと改めて感じました」(小2・4歳の保護者)

「私は以前、教師をしていました。今日の話を聞かせていただいて、教師、学校が特支教育についてより学ぶ姿勢が必要だと感じました。私自身も現在は子どもの療育にかかわっていますが、今となっては、反省ばかりです。ご両親の思い、何より本人(子ども)の成長が一番です。できること、たくさんあります」

「保護者の方は「教える難しさ」にむかいあい、1つずつ克服しながら保護者の方々ご自身が子育て力を高めつづけておられること、その結果学習者であるお子様が「学ぶ力」「生きていく力」を身につけてこられたのだということにたくさんの学びをいただきました」

「ユーモアを含められ、重い気もちにならず、前向きに考えられる(聞ける)内容で、非常にすばらしかったです」

「幼児期から適切な教育を受ける事が出来ず、今も周囲から理解されないまま苦しんでいる“手遅れ”な大人の発達にも、諦めずに“教育”をすべきだと感じました。人生を巻き戻すことは出来ません。でも、今日が人生で一番若い日である事実は変わらないのです」

 

●河野俊一さんの進行・解説についての感想

 

「その都度アドバイスや具体例があって分かりやすかったです」(小1・年中の保護者)

「間合いがすごいよかったです。必要な時に解説。信頼関係があってこそなのだろうと感じました」(小2の保護者)

「質疑応答時の際のまとめ、一般化されたキーワードにして頂けたのは非常に良かったです。ファシリテートがお上手でした」(中1の保護者)

「保護者のお母様にお聞きしたいなと思うところを引き出してくださったように感じます」(中3・小5・小3の保護者)

「ブレない、冷静な対応の重要性を深く感じました」(中3・小5・小3の保護者)

「要所要所で適切な専門的な解説で解りやすかったです」(大3の保護者)

「おだやかな感じで、でも、大切な場面では、強い気持ちでお話されていて良かったです。Sさんの良きサポーターと感じました」(教育・療育関係者)

「姿勢づくりを早い段階から教育することの大切さ~この啓発を続けてほしい」(教育・療育関係者)

「対話形式の進行、いいですね」(教育・療育関係者/スクールカウンセラー)

 

●吉田景一さんの解説・問題提起についての感想

 

「強い子、社会に適合な子に育つために学校側も家庭側も努力が必要だと痛感です」(年中の保護者)

「大人が可能性をここまで、というふうに決めてしまって、レッテルを貼らないこと、がまんする力も教えていく必要があるということがすごく力になりました」(小2の保護者)

「長期の事例の蓄積が重要である点に共感しました」(中3・小5・小3の保護者)

「高校生の息子がいるので現実問題として受け止めることができる内容でした」(大3の保護者)

「前向きなお話でした。学校・教師が子供達をもっと支援できる教育者を育成すべきだと思いますので、どうぞよろしくお願いします」(19歳/就労支援通所者の保護者)

「社会という大きな目標への個々の支援の大切さ、社会のあり方、両方おききできよかったです」(教育・療育関係者)

「基本的なことを、再確認できました。本当の支援、考えさせられます。「共に学ぶ」が絵に描いた餅にならぬようにあってほしいものです」(教育・療育関係者)

「だんだん口うるさい大人が少なくなってきた今の世の中で、やはり大人がしっかり伝えることの大切さがわかりました」(保育士)

 

■■■

 

 なお、セミナーの参加者は、保護者の方を中心に、お孫さんの様子を心配する祖父母の方、現場で対応に困っている小学校・中学校・高校の教員、保育士、放課後等デイサービスの職員、塾の経営者、小児科医(母親)、看護師、心理療法士、言語聴覚士、スクールソーシャルワーカーなどでした。

 

 また、参加された保護者は、大阪市を中心に大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、さらには沖縄県の2府3県に在住の方々でした。お子さん(お孫さん)の年齢は、下が1歳9ヶ月、2歳11ヶ月、3歳8ヶ月、上は大学3年生という状況でした。

 

 事前に申し込まれた、ある保育園の園長さんからは「建前が多い研修とは違った、根っこの部分でのお話が伺えるのでは……と、希望が見えました」というコメントをもらっていましたが、それぞれの立場で少しでも希望が垣間見られたとしたら主催者として幸いに思います。

 

 その他、参加者のアンケートには「また大阪や京都で開催してほしい」などの要望が寄せられました。また、セミナー参加者の方2名が自身のサイトで感想を書いています。自身の問題意識に絡めて、セミナーのエッセンスを的確にまとめていらっしゃいます。ありがとうございました。

 

■「いちにちいっぽ相談室」

https://ameblo.jp/ichinichiippo-room/entry-12484933779.html

■「発達障害を持つ女性のためのコミュニティDecojo」

https://decojo.com/blog/201906/「発達の遅れ」が気になる子どもへの教え方セミ/#more-625

 

 なお、今回のセミナー開催にあたり、朝日新聞大阪本社社会部から電話取材があり、『朝日新聞』大阪版2019年6月18日朝刊に紹介記事が掲載されました。

 また、セミナー開催後になりましたが、今回、体験発表されたSさんとご主人のインタビュー記事が医師専用会員制サイト『エムスリー(m3)』に掲載されました。

次回■第17回

 

[テーマ]

まず「しっかり見る、聞く姿勢」を育てる 

「自閉傾向・ADHD」の息子が就職するまで

 

[プログラム]

体験発表(社会人1年目男性の母親) + 進行・解説(エルベテーク代表/医療法人エルベ理事・河野俊一さん)

 

[日時] 10月19日(土) 10:00〜12:00(受付開始9:45〜)

 

[会場] メディアセブン プレゼンテーションスタジオ(川口駅東口「キュポ・ラ」7階 048-227-7622 http://www.mediaseven.jp/) 

  

[定員] 80名(対象 保護者、教育・療育関係者、医療・福祉関係者、市民など)

 

[参加費](資料代等) 800円

 

 

[後援] 埼玉県、埼玉県教育委員会、埼玉県社会福祉協議会、川口市、川口市教育委員会、川口市社会福祉協議会

 

[申し込み] 事前申し込み制(定員になり次第、締め切らせていただきます)

当NPO法人のホームページにアクセスし、「申し込み専用フォーム」からお申し込みください。お電話(080-8726-1000)でも受け付けております。FAXでのお申し込みは「10月19日セミナー参加希望」と明記の上、お名前・ご住所・ご連絡先を添えてFAX(048-837-6926)願います。

 

 

 (報告/2019年8月5日 知覧)

(撮影 堀)